【音楽】中野サンプラザが7月2日閉館 東京都心の“2000人規模ホール不足問題”が音楽業界に与える負の影響
6/28(水) 19:15 マネーポストWEB
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2023年7月2日で閉館する中野サンプラザ。最終日には山下達郎のコンサートが開催される
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東京・中野区のJR中野駅北口にある「中野サンプラザ」が、7月2日をもって閉館する。1973年に開業した同施設はホテルや結婚式場、ボウリング場などを含む複合施設。なかでもコンサートホールは、数々の人気アーティストが公演を開催し、都内でも有数の人気ホールだった。
建物の老朽化に伴う建て替えで、跡地にはオフィスや住宅、店舗などが入った大型複合施設が建設される。2222人収容の中野サンプラザホールは約7000人収容の大規模ホールに生まれ変わるという。新施設の完成は2028年ごろを予定している。
昨今、東京近郊では、収容人数1万人前後、もしくはそれ以上の規模のコンサート会場が増えている。たとえば、2020年には約1万5000人収容の東京有明アリーナ、約1万2000人収容のぴあアリーナMM、約8000人収容の東京ガーデンシアターがそれぞれオープンした。また、今年9月には約2万人収容のKアリーナ横浜がオープン予定だ。
一方で、中野サンプラザの閉館も含めて、東京都心における2000人規模の会場不足が問題視されている。エンタメ事情に詳しいライターの大塚ナギサ氏が説明する。
「2010年に新宿厚生年金会館が閉館し、2015年には五反田ゆうぽうとホールも閉館、そして中野サンプラザが閉館となり、東京都心にあってアクセスも便利な2000人規模の会場がどんどん減っている状況です。
特に中野サンプラザのようにネームバリューがある会場は、アーティストにとって“目標”となりやすい。ライブハウスの規模から、アリーナ規模へと人気が拡大する中での、重要なステップアップの会場でしたし、そういった場所がなくなることを懸念する声は多い。
また“2000人規模”というのが、絶妙な大きさなんです。いちばん後ろの列の客席でもステージがちゃんと見える規模ですし、座席がある会場であれば、観客同士の距離感を適度に保てるので、余裕を持ってコンサートを楽しめる。そういった会場が減っていくことは、音楽ファンにとってあまり好ましくない状況だと言えます」
◆都心から離れた会場はあるが…
LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)やNHKホールなど、都内にもまだまだ2000人規模の有名ホールが存在しているが、絶対的に2000人規模のホールが減少しているため、それらのホールを使用するための競争率も高くなってくる。
そういったなかで、都心から少々離れた場所の会場に活路を見出すケースもある。モーニング娘。’23やアンジュルムなどが所属するハロー!プロジェクトでは、結成以来、多くのコンサートを中野サンプラザで開催し、同会場が“ハロプロの聖地”と呼ばれるほどだった。しかし、閉館に伴い、今年の夏のコンサートツアーでの東京での会場は、2020年にオープンした東京都立川市の立川ステージガーデンとなった。
「立川ステージガーデンは、2500人規模の会場で、1階の客席はフラットで左右と後方にスタンド席があるというスタイルです。いわば、“小さいアリーナスタイル”という雰囲気で、中野サンプラザのような“老舗ホール”とはかなり雰囲気が異なります」(大塚氏)
立川ステージガーデンについて、東京・世田谷区に住むハロプロファンのAさん(30代女性)はこう話す。
「以前行われた、立川ステージガーデンでのハロプロのコンサートに行きました。新しくて快適な会場ではあるんですが、1階は客席に傾斜がなく、背の低い女性にとっては、ステージが見にくいんですよね。どの席からでもちゃんとステージが見える中野サンプラザが、いかに優れた会場だったかと感じました」
立川ステージガーデンのほか、東京八王子市のJ:COMホール八王子(2000人規模)、埼玉県さいたま市の大宮ソニックシティホール(2500人規模)など、“都心から少々離れた会場”はいくつかある。しかし、デメリットも少なくないようだ。
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