【ジム・ロジャーズ】 「円安は日本復活の起爆剤になる」
この国の課題は山積している。だが、世界的投資家、ジム・ロジャーズ氏は「危機の時代こそまたとないチャンスだ」と述べる。
厳しい状況を打破する起爆剤として、ロジャーズ氏は現在の「円安」を挙げる。
「円安」を利用して日本再興へ向けて進んでいくためのロードマップを自身の最新刊『捨てられる日本』より示してもらった。
■円安で株価が上がるのはなぜか
本稿では、この国が「捨てられない」ためにとるべき方策について述べたい。
今の日本にはいろいろな課題が山積しているが、「危機」は同時にチャンスでもある。現在到来している円安もまた、チャンスと見ることができる。
ー中略ー
■日本初・ビジネスの勝ち筋
円安をチャンスに変えるために、日本企業にとって肝心なことは質とイノベーションだ。
今はもう高度経済成長の時代ではなく、2023年だ。日本はロボットや農業器具の生産を得意としてきたが、ベトナム、中国、韓国、インドなども農業器具の生産を行っており、
日本製品と同等あるいはそれ以上の成功をおさめるかもしれない。こうした国々との熾烈な価格競争に、日本が勝てるとは限らない。
また、日本は得意分野であるゲームやアニメなどのコンテンツビジネスで成功してきたが、近年はK-popや映画、韓国ドラマといったコンテンツの人気が高く、日本は後れをとっている。
韓国がアジアのエンターテインメントの中心になることを、20年前に誰が予測しただろうか。
韓国は、国を挙げたエンターテインメントの育成と海外進出への取り組みで、今日の地位を築き上げた。私もK-popのプラットフォームを運営する韓国のスタートアップに投資している。
コンテンツビジネスでは、言語の要素もとても重要だ。日本のコンテンツは日本語にしか対応していないものが多い。
しかし韓国ドラマやK-popは英語にも対応しているので外国人が楽しめ、世界的なブームを巻き起こした。
韓国は国内マーケットが小さいため、最初から世界を意識していたのである。アーティストたちはアメリカのショービジネスで勝負するため積極的に英語を学び、インタビューやスピーチまでこなしている。
はたして日本のアーティストたちはそこまでの準備をしているだろうか。
日本は韓国より人口が多く市場も大きいため、ビジネスを国内だけで完結しようと思えばできてしまう。
この業界にかかわらず、日本企業はまず国内市場で売ることを意識するあまり、多くの商品やサービスが「ガラパゴス化」した。日本のコンテンツビジネスも、同じ道をたどってはいないだろうか。
日本語以外の言語に対応していないコンテンツを今後も出し続ければ、さらに後れをとってしまうのは明らかだ。
■超高齢化は商機になる
これから超高齢化時代を迎える日本において、社会を生き抜くための技術革新や、サービスの分野でイノベーションが起これば勝算は大きい。
国内だけでなく、同様に高齢化に悩まされる諸外国へ、そうした技術やサービスを売り込むことができる。
発明とは「必然性」から生まれるものである。日本にも、画期的発明が生まれることを願う。
きたる超高齢化社会にビジネスチャンスを感じ、チャレンジしている日本企業があれば是非とも知りたい。その企業は非常にいい投資先になるからだ。
「日本企業は生産性が高い」という人もいる。たしかに昔はそうだった。しかし、天下を取った企業の後継者は怠けてしまう傾向があるものだ。
実際、日本企業の生産性は徐々に下がってきていると私の目には映る。怠けてはいないかもしれないが、先代ほどの成功意欲はないようだ。
ー後略ー
全文はソースから
東洋経済ONLINE 4/10(月) 6:32配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c8f63ee38dd098d511703ad1c9c7b702c8bd7fb