【ファッション】浅草で大正モダンガール急増 レース着物がインスタ映え
https://mainichi.jp/articles/20230403/k00/00m/100/084000c
ここ数年、東京・浅草で大正ロマンをほうふつとさせる着物姿の若者が急増している。フリルをあしらった襟や帯、レース手袋などとレース着物を合わせた和洋折衷のコーディネートは、大正末期に登場した「モダンガール」さながら。浅草寺周辺をブラブラしながら撮影するのが10~20代のあこがれとなっており、インスタグラムには華やかな写真が躍っている。【中嶋真希】
お手ごろ価格も人気に拍車
3月下旬、雷門近くの「梨花和服浅草店」。春休みとあって、レンタルの着物を求める若者がひっきりなしに訪れていた。レース着物とアンティーク着物を中心とした約800点の中から好みの着物を選び、着付けとヘアセットをしてもらうと次々街へ繰り出した。
この春から高校2年生という16歳の2人組は栃木県から日帰りで上京。お目当ては雷門での撮影と抹茶スイーツなどの食べ歩き。「大正ロマンっぽいのが好き。インターネットで『はいからさんが通る』を見て可愛いと思いました。インスタで見て、ずっとやりたくて、やっと予約が取れました」と興奮気味だ。
広島県から旅行で訪れた大学生の2人組も「インスタで見て、やってみたいと思っていました。雷門で写真を撮ったら雰囲気が出そう」。高校を卒業したばかりの女性(18)も埼玉県から訪れ「レース着物は、インスタで有名。雷門で写真を撮って食べ歩きしたい」と声を弾ませた。
同店によると、春休みは繁忙期で、土日は1日約400人が来店。主に18~25歳で9割が女性。男性は女性とのカップルが多い。人気のわけは「インスタ映え」に加え、お手ごろな価格設定にある。同店では当日午後5時半までの返却で、学割を適用し、ヘアセットも省けば最低4000円(繁忙期は別料金)で済む。浅草にはこうした着物のレンタル店が十数店ある。
浅草で2020年夏ブレーク
同店の運営会社「トリップファーム(Trip Farm)」によると、この数年で昔ながらの着物からアンティーク着物に流行が移る中、レース着物は2019年に京都で流行が始まり、浅草でも20年夏ごろからブレークしたという。
レース着物の人気について、同店でウェブマーケティングを担当する栗原未希さん(22)は「当初はジワジワと伸びていたのが、インフルエンサーがSNSに着物姿を投稿するようになってから火がついた」と話す。それゆえ、同店は主にインスタで宣伝する。この日、栗原さんは着物姿のモデルと一緒に浅草の観光地を回り、宣伝用におみくじを引く様子などを撮影した。
栗原さんは「価格だけではなく、締め付けすぎない着付けをするなどして着物を楽しめるよう工夫しています。着物の格式高いイメージを取り払い、身近に感じてほしいです」と語った。