世界で初めて、「AI」が内閣メンバーに ルーマニアの新政策
政府の新メンバーとして紹介されたのは、国内で開発されたAIだったのだ。
名誉顧問となった「ION」は、音声による対話が可能な、鏡のような形状をしたAIアシスタント。
政府の文書によると、これはテクノロジーとAIによって世論を把握するための取り組みだそう。
チウカ首相はIONについて「世界初となるAIの政府顧問」であり、「国民の意見や要望をSNSから
迅速に吸い上げ、政府に伝達するために導入する」と述べた。
IONがまとめた情報を基に、政府が国民の声を汲みながら政策を進めていく方針とのこと。
ネット上の情報からリアルタイムに国民の反応を把握することで、まさに鏡のように国民の意見を反映する、というわけだ。
ただ、斬新すぎる政府の決定には懐疑的な意見も出ている。
アイルランドの人権支援団体の関係者であるKris Shrishak氏は「IONが提供した意見から何を優先して
反映するのか、国民に示すべきだ」と語る。
一方でチウカ首相は「情報を基に意思決定をするためにAIを駆使することは、選択肢ではなく義務である。
IONにより、緊密かつタイムリーなコミュニケーションを確保できる」と前向きな姿勢を示している。
女性や人種など、国の意思決定を巡ってさまざまな人権問題が問われるなか、すべてを凌駕した
“人間ですらない”政府メンバーを発表したルーマニア政府。
IONはあくまでも「アドバイザー」の立ち位置だが、AIが国を管理する時代は近づいているのだろうか。
新政策は国民にとって功を奏するのか、今後のIONの活躍に注目だ。
TABILABO 2023/03/20
https://tabi-labo.com/306128/wt-romanian-government-ai-adviser